北に行くほど暖かくなるノルウェー
「北に行けば寒い」・・・これは北半球の常識だ。少なくとも日本に住んでいる限り、北に行くほど寒いというのは、誰でも常識的な感覚として身に染みついている。
しかし、ノルウェーでは、北半球にある国なのに北へ行くほど暖かくなるのだ。ノルウェーの旅の入り口は、おおむね首都オスロになる。
オスロは北緯60度、南北に細長いノルウェーでは南側に位置している。オスロの冬はかなり厳しい。 12月の平均気温は氷点下5.8度。
一日の最高気温が0度を超えない日もザラにある。寒さで足先の感覚が麻痺し、全身がしびれてくるような寒い日が続く。
オスロ市内を観光したら、中央駅から鉄道に乗って、もっと北のナルビクへ移動してみよう。
ナルビクは、北緯68度を超える、ノルウェーでも北方に位置する都市で、すでに北極圏内の都市である。
しかし、不思議なことにそのあたりでは1月にならないと雪は降らないし、海が凍ることもない。 12月の気温は、だいたい氷点下1~2度ぐらいだ。
どうして、南のオスロよりも北のナルビクの方が気温が高いのだろうか。それは、ナルビクが海岸沿いにある港町だから。
ヨーロッパ大陸の西側には、メキシコ湾から流れてきた北大西洋海流という暖流が流れている。
その暖流はナルビクのあたりまで北上しているため、海岸沿いは冬でも比較的暖かいのだ。