気持ちいい。

気持ちよく前向きに進む。

海の魚が釣れる沼

茨城県の県庁所在地は、水戸藩の城下町だった水戸市だが、その近くに茨城町という町もある。

茨城町という地名は、あまり聞いたことがない、という人は多いだろうが、この地名、関東の釣り好きにはよく知られている。

それは、沼なのに海の魚が釣れる涸沼に面しているからである。そう言うと、今度は「沼なのに、なぜ海の魚が釣れるの?」と不思議に思う人が多いだろう。

もともと、涸沼は、那珂川の自然堤防によって土砂が堆積。涸沼川の水がたまってできた沼である。

しかも、太平洋から8キロほどしか離れておらず、涸沼川で太平洋とつながっている。そのため、海水が流入して汽水になり、干満による水の差は40センチにもなる。

当然、海から回遊してくる魚もいて、淡水魚と一緒に生息している。涸沼で釣れる主な海の魚は、ハゼ、スズキ、クロダイ、カワハギ、ボラなどで、コイやフナなど淡水魚と合わせると、約60種類もの魚が釣れる。

さらに、シジミが獲れるほか、ニシンの棲息南限であり、産卵の場所ともなっている。